子どものコミュニケーション

非認知能力の育て方とは?家庭でできる関わり方をプロが徹底解説

2026.06.11

子どもががんばっている姿を見ていると、長所をもっと伸ばしてあげたいと親なら誰しも願うものです。気持ちを上手に切り替える力や最後までやり切る力など、勉強の点数だけでは測れない能力は、将来の土台へとなっていきます。

ただし、これらの非認知能力は一度に身につくものではなく、家庭のみで完結しようとすると、何から始めるべきか、現在のアプローチが適切か迷いやすいのも事実です。

本記事では、子どもに合った非認知能力の育て方をはじめ、家庭で今日から試せる関わり方、外部サポートを選ぶ基準まで徹底解説します。

「子どもの非認知能力を伸ばすためのコツを知りたい」「将来、自分たちがいなくなっても生きていけるような子どもに育ってほしい」と思う方は、ぜひご一読ください。

なお、本記事を解説するFive Keysは、開校より15年以上にわたって非認知能力育成を実践・検証してきた非認知能力開発専門塾です。脳科学と心理学に基づく科学的なアプローチを強みとしており、5カテゴリー・全93テーマの心理学・脳科学の知見を体系化した専門カリキュラムを通じて、子どもの主体性や対人スキルを育むサポートを行っています。

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非認知能力の育て方に迷うとき、親が抱えやすい悩みの正体

非認知能力の育て方に迷うとき、親が抱えやすい悩みの正体

子どもの待てない姿やすぐ怒ってしまう姿に直面すると、「育て方が間違っているのではないか」といった自責の念が強まりやすくなります。

寝顔に謝りながら翌朝にはまた怒鳴ってしまうループに陥り、安心したくて根拠を探すほど、理想とわが子のギャップに苦しむ親も少なくありません。

ここでは、非認知能力の育て方に迷う親が抱えやすい悩みの理由について解説していきます。孤独感や焦りが強い時期こそ答えを急がず、まずは状況を整理することから始めてみましょう。

» 関連:非認知能力とは?子どもの生きる力を伸ばす方法を専門家が解説

「厳しさ」と「優しさ」の二択で正解を探している

「厳しくしつけないと将来社会で通用しなくなるのではないか」という本音と、「褒めて伸ばさないと自信を奪う」という建前の板挟みは、親が陥りやすい状態です。

強く言えば萎縮させてしまうのが怖く、緩めればわがままになるのが不安になる感情が、子どもへの関わり方を迷わせる原因の一つになります。

大切なのは二択で悩み切ることではありません。子どもにとって何がベストかを考え、どのような力を培ってほしいかを整理していくことです。

周囲との温度差や比較によって余裕がなくなっている

家庭内で意見が割れると、迷いはさらに深まります。周囲の視線やSNSで見かける丁寧な暮らしへの劣等感など、外部環境とのズレも親の余裕がなくなる要因の一つです。

特に、近年ではSNSの普及がめざましく、ひとたびアプリを開くと、正しい子どもへの接し方や子育て論が多く目に止まります。

しかし、それらに惑わされる必要はありません。育て方に迷いが生じているときこそ、現状を客観的に見つめて、何が起きているかを把握するところから始めてみましょう。

子どもに合った非認知能力の育て方を見立てる3つのポイント

子どもに合った非認知能力の育て方を見立てる3つのポイント

子どもに合った非認知能力の育て方を実践するためには、現状の解像度を上げることが大切です。具体的なサポート方法を絞り込むためのポイントを3つ見ていきましょう。

①:問題が起きる場面を具体的に特定する

子どもに合ったサポートを選ぶ第一歩は、問題となる行動がいつ・どこで起きているのかを場面ごとに切り分けることです。場所や状況によって必要なアプローチは変わります。

実際に起こり得る場面と具体的な状況の例を以下の表にまとめました。

場面具体的な状況の例
家庭内宿題に取り組むとき、食事、片付け、きょうだいとのやり取り
外出先買い物中、公共交通機関での移動、公共の場
集団生活園や学校での活動、習い事、友人関係
切り替え遊びから宿題へ、帰宅から入浴へ、就寝前の準備

このように、場面を切り分けるだけでも、いつどこで問題が起きているかが明確になります。

また、行動の前後にある状況を観察するのもポイントです。たとえば、空腹や疲れがあるか、急な予定変更があったかなどが挙げられます。問題行動が起きた背景を知れば、育て方のヒントが得られるでしょう。

②:行動を伸ばしたい能力に言い換える

問題と思われる行動を伸ばしたい能力に言い換えるのも大切です。診断ではなく、あくまで関わり方の方向性を決めるための見立てとして活用します。具体的には以下のとおりです。

問題と思われる行動言い換えの例
順番が待てない自制心を育むチャンス
ミスで激しく落ち込むレジリエンス(回復力)を養う機会
友人と衝突している対人スキル・コミュニケーションを練習する場面


親にとって困る行動を伸ばしたい力に置き換えることで、心理的な負担も軽減されます。子どもに必要なサポートが選びやすくなるはずです。

③:子どもへの接し方を客観的に捉える

子どもへの接し方を考えるのと同時に、現在の関わり方を整理してみましょう。困りごとが続くと、以下のような事態が起きてしまいがちだからです。

  • 親が先回りしてしまう
  • 叱る基準がブレる
  • 感情的に叱りすぎる

大切なのは今のやり方が悪いと自分を責めることではなく、どの部分なら調整できそうかを見つけることです。

困っている場面を一つ選び、新しい関わり方をまずは一つ試してみることから始めてみてください。

家庭で今日から試せる非認知能力の育て方

非認知能力の育成は、生活を大きく変えることではありません。親の負担を最小限に抑えつつ、子どもとの関わりを少しだけ変える調整から始めてみましょう。

指示を選択肢に変えて子どもの自律性を促す

親が「宿題をしなさい」と無理に変えさせようとするほど、子どもはコントロールされていると感じて反発し、意欲が低下する傾向があります。

忍耐力がないと決めつける前に、子どもが好きな遊びに没頭している姿を思い出してみてください。何かに夢中になれるのであれば、能力の欠如ではなく、活動に自ら動くための条件が揃っていないだけの可能性があります。ゲームなら長時間集中できるのに、勉強だと難しいと感じるのは珍しいことではありません。

遊びのように自分で決めた感覚を守れるよう、命令を減らしてみるのが大切です。「AとB、どっちからやる?」と選択肢を提示する工夫が自発的な行動を引き出します。「やりたくない気持ち、わかるよ」とまずは共感し、必要性を短く説明したうえで一緒に考えて選択肢を渡すのも良いでしょう。

子どもの小さな成功を記録して達成感を支える

「毎日30分勉強する」といった大きな目標は、親子ともに挫折の原因になりがちです。

まずは宿題の1問目だけ解く、筆箱を出すといった極小の目標を立て、達成したらカレンダーにシールを貼るなど、成果を数えられる形で記録してみてください。回数や時間を可視化できると達成感を楽しみに変えやすくなります。

目に見える形で成果が積み重なると、子どもは自分にもできそうといった感覚を育み、次のステップへ進む意欲が自然と湧いてくるはずです。

怒りを数秒〜数十秒やり過ごし、子どもの努力を言葉にして認める

感情的に叱りそうなときは、深呼吸をして感情を落ち着かせながら間を置いて、怒りのピークをやり過ごしましょう。常に冷静でいようと無理をする必要はありません。

テストの点数などの結果だけでなく「教科書を開けたね」「時間通りに帰宅できたね」と、具体的なプロセスをそのまま言葉にして認めてみてください。

努力の過程が肯定されることで、子どもは何をすべきかを正しく理解し、望ましい行動を再現しやすくなります。1998年にC・M・ミューラー とキャロル・S・ドゥエックが行った研究によると、結果や能力そのものよりも、努力の過程に注目した声かけのほうが、子どもの意欲や粘り強さを支えやすいことが示されています。

怒りのピークをやり過ごしたら、ぜひ結果ではなく、プロセスを承認してみてください。

参考:Praise for intelligence can undermine children’s motivation and performance – PubMed

集中が続くように、生活環境を整える

子どもの集中力が続かないのは、本人の気力不足だけが原因ではありません。意外にも、物理的な仕組みで解決できる部分は多いものです。具体的な解決策には、以下が挙げられます。

  • 学習場所から漫画やスマホを遠ざける
  • 文房具を置く定位置を決める
  • 帰宅後の休憩時間を固定する

なお、子どもが集中できる時間には年齢差があります。小学校低学年なら10〜15分程度がひとつの目安となるため、短い集中を区切って積み重ねる工夫が良いでしょう。

また、空腹や疲れによるエネルギー不足は感情の乱れを引き起こしやすくなります。朝食でご飯やパンなどの主食を取り、午前中のエネルギー源になる糖質を補うことも意識してみてください。観葉植物など緑を置く工夫も、ストレス軽減や集中の助けになる可能性があります。

非認知能力の育て方に迷ったときは…

習い事や体験活動を選ぶときや見直すときは、迷いが生じやすい場面です。結論を急いで親子で苦しくなる前に、4つの視点で現在の状況をチェックしてみましょう。

①:目的・負担・関係性を確認する

習い事や体験活動が子どもに合っているかを判断するときは、続けているかどうかだけで見るのではなく、目的や負担、関係性を整理してみましょう。本人の成長につながる活動でも、目的と内容がずれていたり、負担が大きすぎたりすると、かえって苦しさが強くなることがあります。

検討中の活動、あるいは現在の活動が子どもに合っているかを以下の3つの軸でチェックしてみてください。

確認の軸具体的なチェックポイント
目的自信や体力の向上など、期待する効果と活動内容にズレはないか
負担時間や難易度は適切か、また空腹、疲れ、移動などエネルギー不足を招く要因はないか
関係性指導者や友だちとの間で、子どもが安心感を持って過ごせているか


これらを基準にすると、今の環境が子どもに必要なものかどうかを冷静に判断しやすくなります。続けるかやめるかをすぐに決めるのではなく、何が合っていて、何が負担になっているのかを見極める視点を持つことが大切です。

②:遅れている不安より目の前の課題を優先する

「今始めないと遅い」「今辞めたら忍耐力がつかない」といった焦りに振り回される必要はありません。大切なのは年齢的な正解を追うことではなく、子どもが何に困っているか、負担をどう減らせるかを考えることです。

3〜6歳頃の幼児期は、自制心や人と関わる力といった非認知能力が育ちやすい時期とされています。ただし、非認知能力はその時期だけで固定されるものではなく、児童期以降も日々の関わりや経験によって伸ばしていけます。

年齢基準の不安を一度手放し、現在の生活に合った選択をしてみましょう。結果として健やかな成長を支える育て方につながるはずです。

③:データよりも子ども自身のフィット感を確認する

実験データや研究結果はあくまで一つの傾向であり、そのまま子どもの正解になるとは限りません。情報の多さに迷ったときは数字的な根拠を追うのをやめ、判断に使える具体的な問いに置き換えてみましょう。

具体的には、次のとおりです。

  • 子どもが困っている場面の前後で、環境や体調に何が起きているか
  • 子どもに自分で選んだという感覚を持てる余地はあるか
  • 生まれ持った特性を踏まえ、何を変えれば伸びやすいか

子どもに合うことを優先することが、納得して次に進むためのポイントです。

④:成長を促す具体的な仕組みがあるか確認する

非認知能力を育むためのサービスを選ぶ場合、「非認知能力を育てる」といった言葉だけに注目するのではなく、具体的な仕組みを見てみましょう。

子どもの非認知能力は、関わり方の中身だけでなく、日々の活動にどのような仕組みがあるかによって伸びやすさが変わります。

たとえば、協調性を育てたいなら、ただ集団に入るだけでなく、集団活動の中で役割分担をしたり、友だちと相談しながら進めたりする場面があることが大切です。

一方で、自律性を伸ばしたい場合、目標を立てて終わりではなく、自分で決める機会があり、その後に振り返る流れまで設計されているかをチェックしておきましょう。子どもにとって続けやすい工夫があるかも非常に大切です。

非認知能力開発専門塾のFive Keysは、全93テーマに及ぶカリキュラムを通して、子どもが自分で気づく経験を重ねる設計を大切にしています。通えばすぐに変わると期待しすぎず、対話や振り返りの設計が子どもの状態に合うかどうかを判断材料の一つとして見てみてください。

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非認知能力の育て方はひとつだけじゃない

実際に現れる変化の内容や、そのタイミングは家庭によってさまざまです。ここでは、Five Keysに寄せられた保護者の声をもとに、それぞれの状況に応じて関わり方をどう調整していけばよいのか、その共通点を見ていきましょう。

個別の課題に合わせた「変化の形」を実例で知る

親が客観的な視点で、子どもとの関わりの角度を少しずつ調整していったことで生まれた具体的な変化をご紹介します。

穏やかになって素直に聞くようになった

「以前は癇癪を起こす、怒ると妹を蹴っちゃうとか、手を出したりとか本当に困っちゃう感じがあったんですけど。私の言うことも、反抗することも時々はありますけど、それでも素直に聞くということが増えていて、本当に穏やかになったのが入塾してすぐの変化でした。あのときFive Keysに出会ってなかったら大変だっただろうなってすごく思います。」(東京都・澤井さん:小5保護者)

やるべきことをしてからしたいことをするようになりました

「Five Keysに入る前はマイナス思考なところを強く心配していました。入塾してからの変化は、プラス思考になり、マイナスなことをほぼ喋らなくなりました。特にここ最近は自分から進んで何かに挑戦したり、去年とか一昨年だったら考えられないくらいの変化だったので、積極的になってくれたかな、プラス思考になってくれたかなと思います。」(広島県・塩谷さん:小4保護者)

チャレンジ精神がつきました

「以前は顔が洗えないほど水が苦手でしたが、Five Keysで苦手なのはただやったことがないだけという考え方を学び、自分からプールの教室に通いたいと言い出しました。今ではスイスイ泳げるようになり、その自信から他のことにも積極的にチャレンジするようになっています。」(栃木県・瀧澤さん:小4保護者)

状況整理を非認知能力の育て方の第一歩にする

それぞれの事例に共通するのは、結果の一喜一憂を避け、現状を客観的に捉えている点です。子どもを無理に変えようとせず、脳科学的な視点も参考にしながら、状況を整理し直すことが変化の第一歩になります。

結果としてプロセスを肯定し、失敗を学びの機会へ転換する心理的余裕が生まれるでしょう。育て方に唯一の正解はありません。今の状態を肯定し、関わり方を小さく調整し続ける姿勢が、しなやかな力を育む支えとなります。

» 塾生・保護者の声をみる

非認知能力の育て方は、焦りを減らしてひとつずつ試すことから始めよう

非認知能力を育てるには、一度にすべてを整えようとせず、焦りを減らすことが大切です。まずはひとつ試して、必要なら調整するといった柔軟な姿勢で、今日の一歩を決めましょう。

具体的には困りごとをひとつ選び、それに対するアクションをひとつだけ試します。主なアクションには、以下が挙げられるでしょう。

  • 選択肢を提示する
  • 達成を数える
  • 環境を整える

1週間ほど観察し、合わなければ別の方法へ切り替えてみるのもひとつの手です。過程そのものが前進となります。

また、親の心理的な余裕を保つことも欠かせません。一人で抱え込まず、外部のサポートを受け、状況の見立てを見直す場として活用するのも有効な手段です。

当記事を監修・解説しているFive Keysは、日本初の非認知能力開発専門塾として、20年以上にわたり子どもの非認知能力育成を実践・研究してきた専門機関です。開校15周年を迎えた現在も、脳科学や心理学の知見をもとに、5カテゴリー・93テーマの体系的なカリキュラムを通して、子ども一人ひとりの主体性や考える力、対人スキルを育むサポートをしています。

家庭での関わり方を工夫することは大切ですが、「わが子にはどんな声かけや環境調整が合うのか」「今の対応でよいのか」と迷う場面もあるでしょう。そんなときは、非認知能力育成を専門にしてきた教育機関の考え方や実践例に触れることが、判断のヒントになります。

非認知能力について、より専門的に知りたい方や、子どもに合った関わり方のヒントを探したい方は、ぜひFive Keys公式サイトも参考にしてみてください。

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この記事の監修者
井上 顕滋

非認知能力開発の専門家。
心理学・脳科学をベースに、20年以上にわたり子どもから経営者まで「人の可能性を引き出す指導」を行っている。
子ども向け非認知能力開発専門塾「Five Keys」創設者として、延べ6万人以上の子ども、保護者を指導。

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