コラム

子どもの目標達成スキル

子どもの自主性を育むには?自ら動く子になる親の心得と実践法を解説

2025.10.30
/
2025.11.03

「うちの子は、どうして言わないと動かないんだろう?」
「宿題も忘れ物も、いつも私が声かけないと…」

そんな我が子の姿を見て「将来、このままで大丈夫だろうか」と不安を感じることはありませんか?現代社会は、AIの進化や社会情勢の変化が目まぐるしく、将来の予測が非常に困難な時代です。

このような時代を子どもがたくましく生き抜くためには、指示されたことをこなすだけでなく、自ら考え・判断し・行動する「自主性」が不可欠な力となるでしょう。

この記事では「指示待ち」から「自ら動く」子へと変わるための具体的な道筋と、その心理的な背景についてまとめています。

これらを深く理解することで、日々の育児ストレスが軽減され、保護者様と子どもの関係がより強固なものへと変わっていくはずです。

専門的なノウハウで、お子さまの潜在能力をさらに引き出したいとお考えなら、ぜひ私たちの公式サイトをご覧ください。

» 子どもの潜在能力を引き出す、FiveKeys公式サイトはこちら

子どもの自主性を育てるには?主体性・自律性との違い

「自主性」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?

「主体性」「自律性」など似た言葉も多く、これらの違いを明確に理解することは、子どもの行動を深く洞察し、より効果的な育児戦略を立てる上で不可欠な第一歩となります。

自主性の定義と本質

自主性とは、すべきことに対して、誰かに指示される前に行動する性質を指す言葉です。これは、すでに定められたルールや義務に対し、自らの意志で率先して取り組む能力を意味します。

たとえば、保護者様が「宿題をやりなさい」と言う前に自ら机に向かうことや、朝起きたら言われなくても顔を洗うといった行動は、まさに自主性の表れと言えるでしょう。

これは、決められたルールやタスクを自らの力で完遂しようとする意志の力であり、その本質は「自己管理能力」と「責任感」に深く関わっています。

自主性の高い子どもには、いくつかの共通する特徴が見られます。

自ら目標を立て、それに向かって努力を続ける力を持っていたり、自分の欲望や衝動をコントロールし、やるべきことを優先して実行できたりする傾向があるでしょう。

また、自分の意思で行動を起こすため、その結果に対しても強い責任感を示すことが多くなります。

混同しやすい主体性・自律性との違い

自主性、主体性、自律性は、それぞれ異なる視点を持っていますが、密接に関連し、相互に発展し合う関係にあります。

概念定義行動の起点具体例
自主性すべきことに対し、指示される前に行動する性質既に存在するルールや義務言われなくても宿題を始める。
主体性何をすべきか決められていないことに対し、自ら考え行動する性質既存の枠組みや指示がない状況で、問題を自ら発見する自由な時間に新しい遊びを考案する。
自律性自分で作った規範に沿って正しく行動する能力内面化された規範や価値観ゲームの時間を自分で決めて守る。

これらの力は、以下のようなステップで育まれていきます。

まず、自主性を繰り返し発揮する中で、「自分は決められたことをやり遂げられる」という自己効力感や責任感が育まれます。この経験が、次に何をすべきかを自分で考え、行動する主体性へとつながります。

そして、さまざまな経験を通して自分なりの価値観や規範を築くことで、最終的に、誰からも指示されなくても自分で決めたルールを守る自律性へと昇華していくのです。

多くの場合、保護者様は子どもに「自分でやりたいことを見つけてほしい」「人生を切り拓いてほしい」という願いを込めて「主体性」を求めています。

しかし、子どもがまだ「言われたことすら自分からやらない」という状態であれば、より基礎的な自主性の育成から始める必要があるでしょう。

心理学における自己肯定感と自己効力感とは?

子どもの自主性を育む上で欠かせないのが、心理学における「自己肯定感」と「自己効力感」という二つの概念です。これらを深く理解することが、子どもが自ら動き出すための、強力な心のエネルギー源を見つけることにつながるでしょう。

「ありのままの自分」を信じる自己肯定感

自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、自身の存在を肯定できる力を指します。

これは、何かできたか、できなかったかにかかわらず「自分は価値ある存在である」と無条件に自分を尊重する感情のことです。

たとえ失敗しても「今回はうまくいかなかったけれど、それでも自分には価値がある」と考えられる心の状態を指し、この感覚が養われることで、子どもは挑戦を恐れずに済むようになります。

「自分ならできる」と信じる自己効力感

自己効力感とは、ある目標や課題に対して「自分は成功できる」と信じ、行動へと移すための力です。

これは、行動に移すことへの自信であり、自主的な行動の直接的な原動力となります。

子どもが「自分にはできる」と信じることができれば、たとえ困難な状況に直面しても、それを解決するために積極的に行動に移すことができるでしょう。

自己肯定感が「存在」を肯定する力であるのに対し、自己効力感は「行動」を肯定する力であり、両者は車の両輪のように子どもの心を支えています。

沼田晶弘先生に学ぶ、自己効力感を高める挑戦

東京学芸大学附属世田谷小学校の教諭であり、『「やる気」を引き出す黄金ルール』の著者でもあるの沼田晶弘先生(ぬまっち先生)は、子どもの自主性を伸ばすには「自己肯定感」だけでなく、「自己効力感」を高める挑戦をさせることが重要だと提唱しています。

失敗を避けるのではなく、果敢に挑戦すること。たとえうまくいかなくても、その経験から学び、次に活かすことが何より大切です。

この挑戦と学びのサイクルこそが、自己効力感を育む土台となり、ひいては自主性を大きく伸ばすことにつながるでしょう。

保護者様が過度に先回りして失敗を防いでしまうことは、子どもの自己効力感を育む貴重な機会を奪ってしまうことになるでしょう。

自己効力感を高める4つの方法

社会的認知理論と自己効力感の提唱で知られる、スタンフォード大学心理学名誉教授であり、米国心理学会(APA)の会長でもあったAlbert Bandura博士(1925–2021)は、以下の4つの情報を手がかりに、人は自分の自己効力感を判断・認識していると述べています。

これらを日々の育児に活かすことで、子どもの自主性を効果的に育むことができます。

情報源内容
達成経験自ら何かを成し遂げた経験。
確実な成功体験を積ませることが、最も強力な自信につながります。
毎日のお手伝いや朝の準備を自力で達成する経験。
代理経験自分と似た仲間が成功するのを観察する経験。
「自分にもできる」という期待を育てます。
友達が成功するのを見て、自分もできると奮起する経験。
言語的説得信頼できる大人から「あなたならできる」と励まされること。
直接的な自信へとつながります。
具体的な行動を肯定的に褒められること。
生理的、情緒的状態身体的な反応や感情の状態。
その捉え方(ポジティブかネガティブか)によって、自己効力感は左右されます。
運動会の前に感じる心臓のドキドキを「緊張」ではなく「やる気」と捉えること。

参考資料:Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a Unifying Theory of Behavioral Change. Psychological Review, 84(2), 191–215.

自主性を育みにくくするNGな行動と声かけ

保護者の「つい手助けをしてしまう」という行動や、知らずに使っている言葉が、子どもの自主性を育みにくくする原因になっているかもしれません。主なNG例を2つのパターンに分けて見ていきましょう。

子どもの機会を奪う過干渉

親が子どもの行動を先回りして助けたり、必要以上に口を出しすぎたりする「過干渉」は、子どもの自主性の芽を摘む大きな原因です。

これにより、子どもは自分で考える機会を失い、「言われたことしかやらない」という指示待ちの姿勢が身についてしまいます。

この状態が続くと、子どもは自分が何かをすることに対して無力感を感じ、自発的な行動を避けるようになるでしょう。

また、過去の失敗経験から自信を失い、自ら行動することをためらう子どももいます。失敗を叱られたり、否定されたりする経験が重なると、挑戦を避けるようになるため注意が必要です。

さらに、行動への納得感が欠けていたり、自己決定の機会が不足していたりすることも自主性の妨げとなります。

なぜそれをする必要があるのかを子どもが理解していない場合や、自分で判断する経験が少ない場合、自ら進んで取り組む意欲は湧きません。

子どもの意欲を削ぐ言葉

過干渉を避けるためには、日頃の声かけも大切です。

たとえば、「〜しなさい」「〜やったの?」といった命令口調を多用することは、子どもを指示待ちの姿勢にさせ、自ら考えて行動する力を奪ってしまいます。

また、子どもの発言や行動を遮ったり、質問に先回りして答えたりすることは、子どもの自己表現の機会を奪うことにつながります。

さらに、子どもの好みや選択を否定し、親の好みを押し付ける行為は、子どもの個性や自己肯定感を傷つける原因にもなり得ます。

結果だけを評価し、過程や努力を軽視する声かけも、子どもの頑張りを否定し、挑戦する意欲を削いでしまうため避けるべきでしょう。

自ら動く子どもへ!今日からできる実践法

子どもの自主性を育むためには、保護者様の意識と行動の変革が不可欠です。

少しの工夫で、お子さまの自主性を引き出すことができます。今日から実践できる、いくつかの方法をご紹介します。

日常生活で「自分で決める」機会を増やす

小さな決定の積み重ねが、子どもの自己判断能力と責任感を養います。

たとえば、家族の食事のメニューや休日の過ごし方など、日常の様々な場面で子どもの意見を積極的に聞き、可能な範囲で取り入れてみましょう。

また、「宿題は朝と夕方、どっちにやる?」のように、「Yes」「No」で答えられない質問をすることで、子どもに考えさせる習慣を身につけられます。

さらに、家庭で役割を与えることも効果的です。食事の準備を手伝ったり、洗濯物を畳んだり、年齢に合わせた役割を任せることで、自主性と責任感が育まれます。

そして、ゲームの時間や片付けのルールなどを、子どもと一緒に話し合って決めることで、子どもはルールを「自分ごと」として捉え、自ら守ろうとする意識が芽生えるでしょう。

失敗を恐れず挑戦できる環境を整える

失敗を恐れる気持ちは、子どもの自主的な行動を大きく阻害します。

だからこそ、親として多少の失敗には目をつむり、温かく見守る姿勢が何より肝心です。

お子さまに「自分はやればできる」という自己効力感を育むには、まず簡単なことから任せて成功体験を積み重ねていくことです。その上で、努力の過程を具体的に褒めることが、子どもの自信を育みます。

また、失敗から多くを学ばせることも、お子さまの成長には欠かせません。

極端ではありますが、忘れ物を届けるのをやめて困る経験をさせることで、自ら次に気をつけようという自主的な意識が芽生えます。

絵を描いている途中で失敗しても、やり直すのではなく、その失敗を活かして全く違う絵に仕上げる、といった経験も自己効力感を高めるでしょう。

ポジティブな声かけを意識する

子どもの自主性育成において、親子のコミュニケーションは大きな影響を与えます。

努力の過程を具体的に褒めることが大切です。

たとえば「テストで100点取ったね」と結果だけを褒めるのではなく、「難しい問題も諦めずに取り組んだね!」と、その頑張りを認めてあげましょう。

また、子どもが自分の気持ちを話してくれたときは、まずは「そうだったんだね」と共感し、受け止める姿勢を見せましょう。

「〜しなさい」といった強制的な言葉や、他の子どもと比較するような言葉は、子どものやる気を削ぎ、自信を失わせます。

子どもが困っている時や行動に迷っている時には、すぐに答えを教えるのではなく、「どうしたらいいかな?」と問いかけ、子ども自身に考えさせる機会を与えることが重要です。

「いい子だね」といった抽象的な褒め方ではなく、「お手伝いをしてくれて、お母さんとても助かったよ」のように、具体的な行動に対する感謝を伝えることで、子どもは自分が貢献できたことを実感し、より良い行動をしようという意欲が湧きます。

自主性を持ち、自ら行動する子どもになってほしいなら

ご家庭での取り組みは非常に重要ですが「どうすればいいか分からない」「やり方で合っているか不安…」と感じることもあるでしょう。

もしあなたが、より体系的・専門的に子どもの自主性を伸ばしたいとお考えなら、私たち日本初の非認知能力専門塾”Five Keys”がお役に立てるかもしれません。

Five Keysは、単なる勉強を教えるのではなく、発達心理学や最新の脳科学に基づき、子どもの「生きる力」そのものである非認知能力を専門的に育む場所です。

子どもたちが遊びのように夢中になりながら、自主性の土台となる以下のスキルを体系的に身につけられるよう、独自のトレーニングを開発しています。

  • ビリーフ・セルフイメージ:「どうせ無理」ではなく、「自分ならできる」という揺るぎない自信を構築します。
  • 目標達成スキル:自分でゴールを定め、粘り強くやり抜く力を養います。
  • 考える力:正解のない問題に立ち向かい、創造的な解決策を生み出す思考力を鍛えます。

こうした能力を育むために、私たちは「自主性・チャレンジシート」というユニークな取り組みを実践しています。

これは、1週間のうちに子ども自身が「親に言われる前にやるべきこと」を3つ決めて毎日チェックし、授業の際にみんなで達成を承認し合うというものです。

この小さな成功体験の積み重ねは、やがて「勝ち癖シート」へと進化し、子どもたちの成長をさらに加速させます。

私たちの最終的な目標は、行動を変えるだけでなく、「私は当たり前にやる人だから」というアイデンティティレベルまで成長させることです。

高い基準値を自己の中に築くことで、他者からのフィードバックに左右されない強い心が育まれます。

だからこそ、Five Keysでは、否定的な言葉で子どもの能力を頭ごなしに否定するようなことはしません。

「君ならできるよ」「君の力ならきっと乗り越えられる」といった、子ども自身が持つ可能性を信じる言葉で励まし、自尊心を傷つけないよう配慮しています。

また、小学1年生から通塾可能。全ての授業はオンラインで実施しているため、全国どこからでも参加できるのも大きな強みです。

実際にFive Keysで学んだ子どもたちは、このような変化を遂げています。

先生から信頼されるようになりました

「入塾前はやる気を起こす方法を知らなかったので、やる気が出なかったらテレビを見てやる気が出るまで待ってたり、やる気がないのにそのままやっちゃってたりして内容が入ってないことも。

入ってからは勉強も優先順位つけたりけっこう集中してできて時間の有効活用とかもできるようになりました」

(愛知県・井上 瑞稀さん:中1)

やる気も自信もつきました

「入塾する前は、あまり自分から手を挙げるとか立候補するとかなかったけど、今は自信もあるし『自分の意見をみんなに伝えたい』って思って手を挙げられる。

本当にやる気も自信も大きくなったと思います」

(山口県・吉原 かれんさん:小3)

これらはほんの一例です。子どもたちが「楽しい!」と感じ、夢中になるからこそ、驚くほどの成長を遂げていくのです。

» 塾生の声はこちらから

子どもの成長を見守って自主性を育もう

この記事では、子どもの自主性を育むための具体的な方法や、その土台となる考え方についてお伝えしました。自主性を育てることは、決して特別なことではありません。

日々の小さな声かけや、子どもが自分で決める機会をほんの少し増やすことから始められます。焦らず、一歩ずつお子さまと一緒に成長していくことが大切です。

子どもの力を信じて、ついつい手を出したくなる気持ちをぐっとこらえる。この「見守る勇気」こそが、お子さまの持つ無限の可能性を引き出す最高の愛情表現となるでしょう。

ご家庭での実践はとても重要ですが、もし「どうすればいいか分からない」「もっと専門的なサポートがほしい」と感じたなら、私たちにお手伝いさせてください。

» お子さまの潜在能力を引き出す、FiveKeys公式サイトはこちら