子どものレジリエンスとは?折れない心を育み、生き抜く力を伸ばす方法
「うちの子どもは、なぜこんなに打たれ弱いのだろう…」
我が子が些細な失敗で深く落ち込んだり、新しいことへの挑戦をためらったりする姿を見て、不安を感じたことはないでしょうか。変化の激しい現代は、子どもたちにとっても心の課題が生まれやすい時代です。
だからこそ今、「レジリエンス」という力に注目が集まっています。レジリエンスとは、単なる根性論や生まれ持った心の強さではなく、逆境や困難を乗り越え、立ち直っていくための心の回復力であり、日々の関わり方次第で誰でも育てていける力です。
この記事では、子どものレジリエンスとは何かという基本から、レジリエンスが育っていない子どもに見られる傾向、家庭で実践できる具体的な高め方まで、非認知能力開発の専門家の視点から解説します。お子さまがどんな困難にもしなやかに向き合える心を育むためのヒントを、ぜひこの記事から見つけてください。
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子どものレジリエンスとは何か?

「うちの子どもは、なぜこんなに打たれ弱いのだろう」と感じたことはありませんか。些細な失敗で落ち込んだり、新しい挑戦を避けたりする姿を見ると、保護者としては不安になるものです。
その不安を解消する鍵になるのが「レジリエンス」という力です。まずはレジリエンスの正体から見ていきましょう。
レジリエンスは「回復するしなやかさ」
たとえば、発表会で少し間違えてしまった子どもが、その日は落ち込んでも、翌日には笑顔で練習に向かう場面を思い浮かべてみてください。レジリエンスとは、まさにそうした回復のプロセスそのものを指します。
逆境や困難を乗り越え、立ち直るための心の回復力であり、根性論のように「心を折れなくする」こととは違うのです。一度落ち込んでも、しなやかに立ち上がっていく力は、科学的なアプローチで育んでいけます。
レジリエンスは生まれ持った才能ではなく、後から育てられる力
レジリエンスの強さは、生まれ持った気質に左右される部分もあります。しかし、それがすべてではありません。
たとえば、人見知りで新しい環境が苦手な子どもであっても、家庭での関わり方や日々の小さな成功体験の積み重ねによって、レジリエンスは後天的に伸ばしていけるのです。焦らず、今日からの関わり方を少しずつ変えていくことから始めてみましょう。
子どもにレジリエンスが必要な理由
変化の激しい社会を生きる子どもたちにとって、レジリエンスはなぜこれほど重要視されるのでしょうか。ここでは、レジリエンスが子どもの将来にどう関わってくるのかを整理します。
変化の激しい時代を生き抜くための土台になるから
これまで「正解」とされてきたやり方が、社会や技術の変化によって通用しなくなる場面は、今後も増えていくと考えられます。たとえば、得意だった勉強法が急に通用しなくなったとき、そこで立ち止まるか、新しいやり方を探せるかで、その先の成長は大きく変わってくるはずです。
過去のやり方に固執せず、しなやかに対応していく力こそ、これからの時代を生きる子どもにとっての土台になるでしょう。
挑戦と失敗を重ねることが、子どもの成長機会になるから
逆上がりに何度失敗しても「もう一回」と練習を続ける子どもがいる一方で、一度うまくいかないとすぐに諦めてしまう子どももいます。失敗を恐れて挑戦を避けてしまうと、本来持っている可能性に気づく機会そのものが失われがちです。
反対に、失敗を学びとして捉えられる子どもは、挑戦そのものを楽しみながら自分の可能性を広げていけます。レジリエンスは、そうした挑戦を支える土台となる力です。
レジリエンスが十分に育っていない子どもに見られる傾向

レジリエンスが育ちにくい状態にあると、子どもの日常にはいくつかのサインが表れることがあります。以下のような様子に、心当たりはないでしょうか。
- 些細な失敗を引きずり、挑戦を避けてしまう
- 自尊心や自己効力感が低く、自分に自信を持ちにくい
- 感情のコントロールが苦手で、孤立しやすい
一つずつ見ていきましょう。
些細な失敗を引きずり、挑戦を避けてしまう
発表会で少し間違えただけで次の練習を嫌がったり、新しい習い事を始める前から「自分には向いていない」と諦めてしまったりする様子は、レジリエンスが育ちにくい状態のサインの一つと考えられます。
ミスや失敗のあと、気持ちの切り替えに時間がかかりやすいことも、よく見られる特徴です。
自尊心・自己効力感が低く、自分に自信を持ちにくい
テストで思うような点が取れなかったとき、「どうせ自分には無理だから」とすぐに諦めてしまう子どもがいます。自尊心が低いと自分を適切に評価しづらく、困難に向き合う自信を持ちにくい傾向があるのです。
自分の能力を疑いやすい自己効力感の低さも、レジリエンスの維持を難しくする要因の一つと考えられています。
感情のコントロールが苦手で、孤立しやすい
友達に一度誘いを断られただけで、「もう誘われないんだ」と決めつけてしまう子どももいます。感情のコントロールが苦手だと、困難な場面で苛立ちや落ち込みが先に立ち、冷静な判断がしにくくなる傾向があります。
家族や周囲からのサポートを感じにくい状況にあると、一人で問題を抱え込みやすく、孤立につながることもあると考えられています。
レジリエンスが育つことで得られる変化
一方で、レジリエンスが育つと、子どもの姿にはどのような変化が表れるのでしょうか。ここでは、Five Keysの指導を受けた塾生の実例を交えながら、ご紹介します。
失敗を恐れず、新しいことに挑戦できるようになる
レジリエンスが育つと、これまで自信のあることにしか挑戦しなかったのが、少し自信のないことにも一歩踏み出せるようになります。たとえば、Five Keysの塾生である鐘ケ江晟太郎さんは、挑戦をためらっていた「未来の科学の夢絵画展」の全国クラスで入賞し、世界展への出品につながりました。
新たな一歩を踏み出せたのは、レジリエンスが育まれたのが要因の一つといえるでしょう。
自分の気持ちと向き合い、前向きに捉えられるようになる
レジリエンスが育つと、ネガティブな出来事に直面しても「ここから何を学べるか」という前向きな視点で捉え直せるようになっていきます。
自信を失いやすかった生徒が、周囲から「変わったね」と言われるほどの変化を見せたケースもあります(長野県・北澤さくらさん:中2)。
周囲との信頼関係を築き、頼れる存在が増える
レジリエンスは、一人で頑張り抜く力ではありません。困ったときに周囲を頼れる力でもあるのです。
例えば、悩みを一人で抱え込んでいた子どもが、信頼できる大人に相談できるようになるといった変化を通じて、困難を乗り越えていく力を身につけていきます。
子どものレジリエンスを高める方法

レジリエンスは、家庭での日々の関わり方によって育んでいくことができます。今日から実践できる5つのアプローチを見ていきましょう。
①安心できる「安全基地」としての家庭環境をつくる
子どものレジリエンスの土台となるのは、家庭が最も安心できる場所だという確信です。この確信を育むうえで最も重要なのが、無条件の愛情を伝えることです。
子どもが「自分はありのままで愛されている」と感じられるように抱きしめたり、「大好きだよ」「頑張っているね」といった言葉で、日頃から愛情を具体的に伝えましょう。
言葉だけでなく、子どもが帰宅した際に笑顔で迎える、忙しい時でも数分間は子どもの話に耳を傾けるといった行動も重要です。
これにより、子どもは「いつでも自分の居場所がある」という安心感を得られます。
また、保護者自身の感情が不安定だと、その感情が子どもにも伝わってしまいます。そのため、保護者が完璧であろうとするのではなく、自身のストレスと向き合い、セルフケアをすることも大切です。
②子どもの感情に寄り添い、気持ちを言葉で受け止める
子どもが自分の感情を適切に処理する力を育むためには、親がその感情に共感することも大切です。たとえば、「それは悲しいね」「つらかったね」と子どもの気持ちを言葉で代弁してあげることで、子どもは自分の感情を客観的に認識し、言葉にする練習ができます。
「どうしてそんなに怒っているの?」と原因を問うのではなく、「お友達に意地悪されて、悔しかったんだね」といったように、気持ちを代弁してあげてみましょう。子どもは「自分の感情は理解してもらえるものだ」と学びます。
悔しさや悲しみといったネガティブな感情も、次への挑戦の原動力となる大切な感情です。「そういうこともあるよね」と、そのまま受け止める姿勢が子どもの心を育てていきます。
③失敗を成長のチャンスに変える
失敗から立ち直る力を育む上で、親の失敗に対する捉え方がポイントになります。結果ではなく「プロセス」を褒めることを意識しましょう。「テストで100点を取ったこと」だけでなく、「苦手な問題に最後まで挑戦したこと」など、子どもの努力や過程を具体的に褒めることが大切です。
「なんでできないの?」といった原因追及の質問は、子どもを追い詰めてしまいがちです。そうではなく、「この出来事の良いところは何?」「ここから何を学べる?」というコミュニケーションを心がけましょう。
「なんでできなかったの?」という原因追及の質問は、子どもに「できない自分」を責める気持ちを芽生えさせ、自己肯定感を下げてしまう可能性があります。
一方で、「この出来事から何を学べた?」という問いは、失敗を客観的に捉え、次への戦略を立てる思考力を養います。また、危険がない限りは安易に手を出さず、見守る姿勢を持つことも重要です。
子どもが自分で考え、自分で解決する機会を与えることで、失敗を乗り越える経験が子どもの力になります。
④達成感を可視化し、楽しさを引き出す
子どもは「楽しい」と感じないと夢中になれません。楽しさの源の一つは、達成感です。カレンダーなどに記録して、子どもの頑張りを「見える化」させましょう。「毎日、本を20分読む」「縄跳びを30回跳ぶ」といった小さな目標を設定し、達成感を積み重ねていくことが大切です。この「できた!」という喜びが次のやる気につながり、やがて大きな自信を育んでいきます。
また、家庭でのお手伝いも立派な目標です。「ゴミ捨てを1週間続けたね」とカレンダーにシールを貼ったり、「今日もお手伝いありがとう」と感謝の言葉を伝えたりすることで、達成感を可視化し、楽しさに変えられます。
⑤健全な信頼関係を育む
レジリエンス研究の第一人者であるカリフォルニア大学デービス校の名誉教授でもあるエミー・E・ワーナー(Emmy E. Werner)博士の研究では、困難な環境で育った子どもが逆境を乗り越えるには、「たった一人でも自分を信頼し、見守ってくれる大人」の存在が重要であることが示されています。
レジリエンスの中核は他者との関わりを通じて育まれます。困ったときに一人で抱え込まず、保護者様や周囲の大人に相談する勇気を育むためにも、「いつでも頼っていいんだよ」というメッセージを伝え続けることが大切です。
また、家のお手伝いなど、誰かの役に立つ経験を通じて「自分は誰かの役に立てる」という自己有用感を高めることが、自信につながります。
非認知能力であるレジリエンスを高めたいなら、専門塾に通う選択肢を
ご家庭での関わりは、レジリエンスを育む上で欠かせないものです。それでも、「このやり方で合っているのか不安…」「もっと子どもの可能性を伸ばす方法を知りたい」と感じる方は少なくありません。
私たち日本初の非認知能力専門塾Five Keysは、そうした保護者様の想いに応えるために、レジリエンスを含む「非認知能力」を専門的かつ体系的に育む教育を行っています。
脳科学・心理学に基づいた全93テーマに及ぶ体系的なカリキュラムのもと、子どもの内的対話を前向きな方向へ導く指導を行っているほか、遊びやプロジェクト学習を通じて「やらされる学び」を「自ら取り組む学び」へと変えていく授業設計を大切にしています。
加えて、保護者様向けの勉強会や面談を通じて、ご家庭と塾が一体となってお子さまの成長を支えていきます。小学1年生から通塾が可能です。レジリエンスを育むために家庭とは異なる選択肢がほしい方は、ぜひ下記より私たちFive Keysのことをチェックしてみてください。
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子どもにとってのレジリエンスは生き抜くために必要な力
レジリエンスは、子どもが困難な状況を乗り越えるためだけの力ではありません。変化の激しいこれからの時代を、しなやかに生き抜くための力でもあります。
レジリエンスを育もうとしても、すぐに結果が出るものではないかもしれません。それでも、日々の関わり方を少しずつ変えていくことで、子どもの心は確実にしなやかさを増していきます。
完璧な子育てを目指す必要はないのです。お子さまと一緒に学び、共に成長していくプロセスそのものが、かけがえのない財産になっていくはずです。
私たちFive Keysはレジリエンスを含め、生きていく上で大切とされる非認知能力を他にも4つ掲げており、それら全てを育める環境を整えています。より専門的な視点からお子さまの可能性を伸ばしたいとお考えの方は、ぜひ一度Five Keysの公式サイトをご覧ください。
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- 井上 顕滋
非認知能力開発の専門家。
心理学・脳科学をベースに、20年以上にわたり子どもから経営者まで「人の可能性を引き出す指導」を行っている。
子ども向け非認知能力開発専門塾「Five Keys」創設者として、延べ6万人以上の子ども、保護者を指導。