非認知能力を鍛える遊びはある?家で今日からできる工夫と親の関わり方
「この子の良さを、もっと伸ばしてあげたい」「遊びの時間を将来につながる形にできないかな?」と考えることはないでしょうか。知育情報が増えるほど、何が正解かわからなくなってしまうのは自然なことです。
しかし、やり抜く力や気持ちの切り替え、人と関わる力といった非認知能力は、特別な教材や高価な習い事がなくても育めます。家にある物での遊びや、動画を観た後の習慣など、日常の小さな工夫で伸ばしていくことが可能です。
本記事では、非認知能力を優しく整理したうえで、以下のポイントを順に解説します。
- 遊びを見守るときに役立つ2つの成長の見方
- 家にある物で今日から試せる具体的な遊びの型
- デジタル機器や習い事と無理なく付き合うためのバランス
もし、わが家の場合、どこをどう整えると良さが伸びやすいかを整理しづらいときは、非認知能力育成の専門塾であるFive Keysを頼るのも一つの選択肢です。
開校15周年を迎え、非認知能力育成を実践・検証してきたFive Keysには、心理学・脳科学に基づく5カテゴリー・全93テーマの知見が体系的にまとまっています。だからこそ、家庭での関わり方に迷ったときも、わが子に合う伸ばし方を整理しやすく、次の一歩を前向きに決めやすくなるはずです。
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そもそも遊びで非認知能力は鍛えられるのか?

非認知能力という言葉は便利な反面、SNSをはじめとした情報に触れるほど、何か特別なことをさせなければならないとの焦りを感じるかもしれません。まずは、非認知能力は遊びで鍛えられるのかといった前提から見ていきましょう。
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非認知能力はIQテストや学力テストだけでは捉えきれない心の力を指す
非認知能力とは、やり抜く力や自制心など、テストの点数では測れない心と社会に関わる力のことです。たとえ特別な教材を使わなくても、育める瞬間は日常の瞬間に宿っています。
たとえば、パズルが解けずに悔しさをこらえたり、おもちゃをあとで貸すねと折り合いをつけたりするシーンが挙げられます。
性格の良し悪しをジャッジするのではなく、子どもが日々の遊びでどんな感情を動かしたかといった経験の質に注目してみましょう。非認知能力は哲学や精神論として語るよりも、日々の行動や関わり方の中で育つ力として捉えるほうが、家庭でも扱いやすくなります。
非認知能力は学習面を支える重要な役割を担っている
読み・書き・計算などの認知能力の向上を支えるのが、非認知能力という土台です。たとえば、小学校で机に向かうには座り続ける自制心、難しい問題には粘り強く挑む力が必要になります。
家で順番を待つ、散らかった物を一箇所に集めるといった小さな経験を積むことは、将来の学習を支えるしっかりとした根っこを育てることにつながります。遊びは、この土台を生活の中で無理なく耕せる貴重な時間といえるでしょう。
非認知能力は即効性ではなく日々の積み重ねで現れる
遊びの効果は、ダイエットや筋トレのようにすぐに数値で見えるものではありません。前日まで負けて怒っていた子どもが、次の日は静かに悔しがっているといったように、言われなければ気づかないほどの変化が積み重なっていきます。
大切なのは、正解を急いで変化の証拠を探さないことです。たとえ短時間でも、失敗してもやり直せたプロセスそのものを認められると、親の心の負担も遊びの質も楽なものに変わります。
なお、非認知能力には生まれつきの傾向も影響するため、環境だけで決まるとは言い切れません。今できる関わり方を少しずつ積み重ねていく視点が大切です。
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遊びで鍛えられる2つの非認知能力とは
どんな遊びをさせればいいかと迷ったときは、遊びによって育まれる力を大きく2つに整理して捉えてみてください。子どもの姿を自分と向き合う力と他者と関わる力の視点で見守ることで、日々の遊びの価値が見えやすくなります。
ここでは、遊びで鍛えられる2つの非認知能力についてご紹介します。
①:自制心や粘り強さを育む「自分自身を律し高める力」
1つ目は、自分自身を律し、高める力です。子どもが自分の興味に没頭し、納得いくまでやり抜こうとする状態を指します。具体的な場面は、以下のとおりです。
- 積み木が崩れても「もう一回」と挑戦する
- お絵描きで「どの色を使おうかな」と自分で選ぶ
- パズルがうまくはまらなくても、向きを変えながら試してみる
大人が先回りして正解を教えるのを一歩こらえ、子どもが自分の力で試行錯誤する時間を大切にしましょう。自分の力でやり遂げた実感が、自律心や粘り強さの根っこになります。
子どもは楽しいと感じたときほど没頭しやすく、達成感が積み重なると次の挑戦にもつながりやすくなります。子どもが一人で集中している時間を大切にしながら、本当に助けが必要なときには、そっと手を差し伸べてあげましょう。
子どもが一人で集中している時間をそっと見守るだけで、その力は十分に引き出されていきます。
②:協調性や共感性を育む「他者と円滑な関係を築く力」
2つ目は、他者と円滑な関係を築く力です。特に、兄弟喧嘩やルールのある遊びでもめてしまう場面は、協調性や共感性を育む他者に関する力に触れる絶好の機会です。
勝ち負けといった結果以上に、他者との関わりについてのプロセスを経験できているかに注目してみましょう。主な内容には以下が挙げられます。
- 順番を守る
- 交渉する
- 自分の気持ちを言葉にする
もめ事を困ったことではなく、社会性を学ぶ練習の場として捉え直すことで、何気ない遊びの時間が将来の人間関係を支える大切な経験へと変わります。親がジャッジを下す前に、子ども同士でどう解決しようとしているかを観察する余裕を持つのがポイントです。
家にある物でできる「非認知能力を鍛える遊び」の例

トランプやボードゲームなどのルールを守り、順番を待ち、結果を受け止める遊びは、行動の自己制御の練習になります。もし負けて怒ったり、順番が待てずに揉めたりする場合は、ルールそのものを今の脳の発達段階に合わせて調整してあげましょう。
子どもがギリギリ守れるレベルまでハードルを下げることで、失敗体験ではなくルールを守れたという成功体験を積めます。
ちなみに、子どもの集中力が続く時間には個人差がありますが、年齢に応じて少しずつ伸びていき、幼児期は数分〜十数分程度が目安です。この積み重ねが、今後、複雑な社会ルールを受け入れる土台となります。
デジタル機器を非認知能力を鍛える遊びにする3つのポイント
トランプや積み木など、非デジタルな遊びでは非認知能力が高まりやすいイメージが強いかもしれません。一方で、デジタル機器を用いた遊びでも、遊ぶときのルールや仕組みをしっかりと決めておけば、非認知能力を鍛える遊びになります。
ここでは、デジタル機器の向き合い方について、家庭内の環境を整えるための3つのポイントを解説します。
①:目的に合わせたルールを作って許可する
デジタル機器は子どもに悪影響が出ないかと心配になり、全面禁止のような厳しい判断をしたくなるかもしれません。しかし、一方的な制限はかえって親子が揉める火種になりがちです。
一方で、あらかじめ許容範囲を明確にして利用を認めれば問題は起きにくくなります。以下はルールの例です。
- 食事が終わったら動画を観てもいい
- ゲームは宿題が終わったらやってもいい
ポイントは、ルールを世間の正解に合わせないようにすることです。自分たちが守りたい生活習慣から逆算して決めると、お互いに線引きしやすくなります。
ルールを守らせる仕組みを導入する
ルールを決めても子どもが約束を守れないと、親は監視役のように注意し続けることになり、お互いに疲弊してしまいます。ルールを守らせるには、時間や場所だけでなく、終わり方も最初に一緒に決めておくと良いでしょう。
なお、終わりのルールには、アラームが鳴ったら電源を切るといった外部のツールを活用しても問題ありません。
なお、万が一子どもが約束を破ってしまったとしても、感情的に叱るのではなく、次はどうすれば守れるかを一緒に話し合い、仕組みを微調整するようにしましょう。改善を繰り返すことで、親子の摩擦は自然と減っていくはずです。
罪悪感を手放し、切り替えの習慣を大切にする
動画やゲームを止めた直後の子どもは、刺激の強い世界から急に現実に引き戻されるため、気持ちを切り替えにくくなる場合があります。ここで無理に次の行動を急かすのではなく、画面を消した直後に深呼吸を数回する、その場で軽く体を動かすといった数秒のルーティンを取り入れてみてください。
こうした切り替えのクッションを挟むことで、子どもは気持ちを落ち着かせ、スムーズに現実の生活へと戻りやすくなります。
ここで無理に次の行動を急かすのではなく、画面を消した直後に一度深呼吸をする、一緒に冷たい水を飲むといった数秒のルーティンを取り入れてみてください。
こうした五感を刺激する切り替えのクッションを置くことで、子どもは自ら気持ちを落ち着かせ、スムーズに現実の生活へと戻りやすくなります。日々の状況に合わせてルールを作り、家庭に合った形を見つけていきましょう。
» 関連記事:集中力がない子どもはどう育てる?やる気と自信を引き出す方法を解説
遊びで非認知能力の効果を高める親の関わり方とは

同じ遊びでも、親の立ち位置や声のかけ方が少し変わるだけで、子どもの集中力や遊びの続きやすさは大きく変わります。ここでは、日々の忙しさの中でも無理なく取り入れられる、関わり方のポイントを3つに整理してご紹介します。
①:結果ではなくプロセスを言葉にして伝える
子どもには、結果ではなくプロセスに目を向けて声かけをしましょう。つい結果に対して声をかけたくなりますが、目に見える行動や工夫の跡をそのまま伝えることが大切です。
つい結果に対して声をかけたくなりますが、目に見える事実をそのまま伝えることが大切です。以下に、それぞれのシーンに対する言葉かけの例を挙げました。
| シーン | プロセスを承認する言葉 | 結果に対する言葉 |
|---|---|---|
| お絵描き | 「ここは赤を選んだんだね」 | 「上手に描けたね」 |
| 積み木遊び | 「最後までやり直してたね」 | 「高く積み上げられたね」 |
| パズル遊び | 「向きを変えながら、ここかなって何回も試していたね」 | 「完成できたね」 |
| ままごと遊び | 「相手の役に合わせて、どうするか自分で考えていたね」 | 「上手にできたね」 |
| カードゲーム・かるた遊び | 「順番を待ちながら、最後までできてたね」 | 「たくさん取れたね」 |
| ごっこ遊び(お店やさん・お医者さんなど) | 「相手に合わせて言い方を変えていたね」 | 「本物みたいだったね」 |
ぜひ子どもの努力や工夫の跡を言葉にしてみてください。結果の良し悪しだけでなく自分のプロセスを見てもらえた実感は、子どもが失敗を恐れずにチャレンジする心の土台となります。
» 関連記事:親の褒め方が原因?承認欲求が強い子どもへの接し方とは
②:主導権を渡し自分で選ぶ感覚を尊重する
親が正解を急いでリードしすぎると、子どもが遊びに乗ってこないことがあります。子どもにとって大切なのは、自分で選んだという納得感です。心理学の自己決定理論でも、自律性やできた実感が内発的な意欲を支える要素だとされています。
ただし、主導権を完全に渡してしまうと、遊ぶ内容を決めきれなくなるリスクもあります。
現実的な工夫としては、すべての判断を任せるのではなく、最初の入り口のみサポートするのが良いでしょう。「この2つのうちどっちから始める?」と選択肢を絞ったり、開始の数分だけ一緒に遊んであとは見守ったりするのがポイントです。
子どもの気持ちにまず共感し、一緒に選択肢を整理すると、子どもはやらされている感覚を持ちにくくなります。
③:感情的に叱った後の関係修復を大切にする
余裕がないときに子どもを強く叱ってしまい、後で後悔することもあるかもしれません。大切なのは、完璧な親でい続けることよりも、崩れた関係を修復できるかです。怒りが湧いたときは、すぐに言葉や行動に出さず、深呼吸などで感情を落ち着かせながら間を置くことを意識してみましょう。そうすることで、衝動的な反応を減らすことができます。
まずは一呼吸して、「さっきは怒ってごめんね」と伝えることが大切です。こうした戻り方を一つ持っておくだけで、親自身の自己否定感も和らぎます。完璧な関わりを目指す必要はありません。何度でもやり直せる安心感こそが、親子の絆と子どもの安心を支えます。
非認知能力を鍛える遊びと習い事のバランス
家庭での遊びだけで非認知能力を伸ばそうと頑張りすぎて、親が疲弊してしまっては本末転倒です。外の環境や習い事に頼ることは、決して教育の放棄ではありません。
ここでは、親の心のゆとりを保ちながら、外部の力を賢く活用するための考え方を整理します。
家庭の限界を認め、外の力を頼りにする
共働きで時間が限られていたり、週末も家事に追われたりと、現代の家庭だけで子どもの教育的役割をすべて担うには限界があります。もっと丁寧に関わりたいのに余裕がないと感じてしまうのは、親の能力不足ではなく、時間や環境といった条件の問題です。
もし余裕のなさが子どもへの関わりに影響しそうだと感じたときは、外の力を借りることを検討してみてください。それは家族全体の笑顔を守るための、前向きな選択肢になります。
環境を「外部化」して親のゆとりを生み出す
家の中だけで正解を探し続けて詰まってしまうときは、親の根気がないのではなく、子どもにとっての新しい居場所が必要なサインかもしれません。家庭以外のコミュニティや他者との関わりが入ることで、親が背負っていた教える役割を専門家に分担し、心にゆとりを取り戻せます。
なお、習い事を選ぶときは、看板にある「能力開発」という言葉だけで決めないようにしましょう。わが子のどんな場面を支えてほしいかに立ち返ることで、今の家庭に最適な場所が見つかりやすくなります。
子どもの自発性を引き出す「専門的な場」を味方につける
子どもの成長を支える際、家庭だけで解決しようとせず、専門的な視点を持つ場を活用するのも一つの手です。たとえば、私たちFive Keysでは、大人が正解を教え込むのではなく、子どもが試行錯誤の中で「あ、そうか!」と自ら気づけるような問いかけを大切にしています。
子どもの停滞を能力不足と決めつけず、環境や関わり方の面から整理していくことで、子どもたちは自発的に変化していきます。以下のコメントは、環境を変えることで実際に一歩を踏み出した塾生や保護者の声です。
第一志望に合格しました(大阪府・田畑 萌実さん:中2)
入る前は失敗したら嫌だなと思っていましたが、Five Keysに入って、どんなこともまず挑戦することが大事と思えるようになりました。色々なことを経験できて自分に自信もついたし、今は何でも楽しく取り組めています。
自分から挑戦するようになりました(福岡県・井上さん:小3保護者)
入塾前は緊張が高い子でしたが、今は人の目を見て話すようになり、ピシッと手をあげてアウトプットできるようになりました。お友達も少しずつ増えて、学校でもとても楽しそうです。
「苦手」を「やったことがないだけ」と捉え直せた(栃木県・瀧澤さん:小4保護者)
水が苦手でしたが、Five Keysで苦手なのはただやったことがないだけという考え方を学び、自分からプールの教室に通いたいと言い出しました。今ではスイスイ泳げるようになり、自信につながっています。
Five Keysでは、こちら以外にも多くの喜びの声をいただいています。その他の塾生・保護者の声もぜひ以下よりご覧ください。
日々の遊びを非認知能力につなげるには

日々の遊びを子どもの非認知能力へとつなげるために大切なのは、理想を追い求めすぎず、親がこれなら続けられると思えるゆとりを持つことです。
遊びの内容に迷ったときは、目的・今の状況・関わり方の3点をチェックしてみてください。「今日は一人で没頭する自己の力を促す日」のように、その日の目的を一つに絞るだけでも、毎日の遊びは子どもの成長を見守る確かな時間へと変わります。
もし、家庭内だけの工夫で限界を感じたときは、専門的な環境を頼ることもひとつの前向きな選択肢です。外の力を借りることは教育の放棄ではなく、親子が笑顔で過ごすための役割分担に他なりません。
Five Keysの公式サイトでは、脳科学や心理学に基づいた具体的な関わり方のヒントを詳しく紹介しています。一人で抱え込みそうになったときは、解決の糸口としてぜひ参考にしてみてください。
Five Keysは、日本初の非認知能力開発専門塾として開校15周年を迎え、20年以上にわたる実践と検証をもとに、子どもの非認知能力を育む指導を続けています。カリキュラムは心理学・脳科学の知見に基づいて設計されており、5つのカテゴリー・全93テーマで体系化されているのも特徴です。
「家庭での関わり方がこれで合っているのか不安」「子どもに合う伸ばし方を知りたい」と感じたときは、ぜひ私たちFive Keysを頼ってみてください。
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- 井上 顕滋
非認知能力開発の専門家。
心理学・脳科学をベースに、20年以上にわたり子どもから経営者まで「人の可能性を引き出す指導」を行っている。
子ども向け非認知能力開発専門塾「Five Keys」創設者として、延べ6万人以上の子ども、保護者を指導。