子どもの集中力は「年齢+1分」集中力を高める方法を専門家が解説
「うちの子、宿題を始めても5分と持たない…」「ゲームには夢中なのに、勉強になるとすぐに気が散ってしまう」
お子さんの集中力について、そんな悩みを抱えていませんか?
毎日「ちゃんとしなさい!」と声を荒げてしまい、自己嫌悪に陥る日もあるかもしれません。
ですが、ご安心ください。
子どもの集中力は、生まれつきの個性だけでなく、親のちょっとした工夫と科学的なアプローチで育むことが可能です。
この記事では、子どもの集中力が続かない根本原因を多角的に分析し、ご家庭で実践できる対策を紹介します。
最後までお読みいただければ、子どものやる気・自信を引き出す具体的な方法がわかり、将来の成功に不可欠な非認知能力を育むヒントを得られるでしょう。
私たちFive Keysは、非認知能力開発専門塾として、子どもの集中力にお悩みの保護者もサポートしています。
ご家庭での取り組みに加え、より専門的な知見からお子さまの可能性を最大限に引き出したい方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。
» 子どもの可能性を最大限に引き出す、FiveKeysの公式サイトはこちら
子どもの集中力が続かない原因は?

子どもの集中力が続かないという原因は、決して一つではありません。
その原因は多岐にわたるため、まずはその根本原因を深く理解することが効果的な対策を講じるための第一歩となります。
まずは目安を知ることから始めよう
大人の感覚で「集中力がない」と判断する前に、まずは子どもの集中力が本来どれくらい続くものなのかを知っておきましょう。
実は、子どもが長時間集中できないのは、ある意味で当たり前のことです。
集中力や思考力、自制心といった重要な役割を担う脳の部位「前頭前野」は、大人のそれとは異なり、子どもの脳ではまだ発達段階にあります。
この前頭前野は、計画を立てる、衝動を抑える、優先順位を判断するなど、私たちが何かを成し遂げる上で欠かせない「実行機能」を司る司令塔のような役割を担っています。
そのため、子どもがすぐに飽きてしまったり、衝動的に行動してしまったりするのは、成長過程においてごく自然なことです。
また、子どもの集中力持続時間には、明確な年齢差があり、一般的に「年齢+1分」が目安とされています。
幼児期(3〜5歳)ではおよそ5〜7分、小学校低学年では約15分、小学校高学年でも約20分程度とされています。
大事なのは大人の基準で見ないことです。ですが、この目安を知っておくだけでも子どもの集中力に対する捉え方が変わり、保護者の方の心に余裕が生まれるでしょう。
環境的な集中力の妨げがあるから
子どもの集中力は、周囲の環境に大きな影響を受けます。
たとえば、テレビの音や家族の話し声、スマートフォンの操作音などの日常的な環境音が注意をそらす主な原因です。
視界におもちゃやゲーム、漫画といった誘惑があると、意識がそちらへ向かいやすくなってしまいます。兄弟や姉妹がいるご家庭では、その存在自体が集中を妨げることも少なくありません。
同じ空間で兄弟が遊んでいると学習に集中しにくいため、学習中は部屋を分けるといった工夫が効果的です。
また、集中できる環境づくりとして、気が散るものを片付けることと、心地よい空間をつくることが大切です。部屋が散らかっていると、視覚的な情報が多すぎて気が散りやすくなります。
学習スペースには、余計なものを置かないように心がけましょう。
観葉植物を置くこともおすすめです。緑はストレスの軽減や集中力、生産性を向上させる効果があると言われています。
例としては、ポトスやサンスベリアのような手入れが簡単な観葉植物を一つ置くだけでも、視覚的な安らぎを与える効果が期待できます。
これは、植物が放つフィトンチッドという成分が、心を落ち着かせ、集中力を高める効果があるためとも言われています。
デジタル機器との付き合い方も重要です。小さな画面のスマートフォンは、気が散る通知が頻繁に届くことに加え、思考の範囲が狭まりがちです。
一方で、学習に特化した大画面のタブレットは小型スマートフォンに比べ、創造性・問題解決力・情報整理力といった学習面でメリットがあると期待されています。
大きな画面は一度に表示できる情報量が多く、広い「視野」を提供するため、子どもの多角的な思考を促す可能性があります。
ただし、どのようなデジタル機器であっても、その使い方や目的が最も重要です。
通知をオフにしたり、学習に集中できるアプリのみを利用したりするなど、子どもの学習内容に合わせて、集中しやすい環境を整えてあげることが大切です。
参考:Effects of Tiled High-Resolution Display on Basic Visualization and Navigation Tasks
ネガティブな感情が集中力を奪っている可能性があるから
子どもの集中力は、心理状態に深く根ざしています。その子が日常生活に「不安」などの感情を抱えていると、目の前の課題に意識を向けることが難しくなります。
親が一方的に「これをやりなさい!」と言ってしまうと、子どもはやらされ感を抱き、内発的な動機付けが生まれず、結果として集中力が続きにくくなります。
また、親からの否定的な言葉は、子どもに「自分は集中力がない」というネガティブな自己認識を植え付けてしまう危険性もあります。
「どうしてこんな簡単な問題ができないの?」といった言葉は、子どもに「自分は能力が低い」と思い込ませ、挑戦する意欲を奪ってしまうことにつながりかねません。
発達特性(ADHD/ASD)が背景にある場合も考えられるから
子どもの集中力低下は、単なる成長過程の問題だけでなく、発達特性(ADHD:注意欠如・多動症、ASD:自閉スペクトラム症など)が背景にある場合もあります。
しかし、必ずしも生まれつきの発達障害であるとは限りません。
近年の研究では、現代の生活環境が、「発達特性のような状態」を引き起こす可能性も指摘されています。
AIやデジタルデバイスが与える刺激の多い環境では、子どもが自ら遊びを見つけたり、何もせずにぼーっとしたりする「退屈な時間」が奪われがちです。
このような「遊びの欠如」は、注意コントロールの発達を妨げ、結果的に集中力が続かない状態につながることがあると言われています。
これらの特性を持つ子どもの集中力には、一般とは異なるパターンが見られます。
例えば、興味のあることや好きなことには時間を忘れて夢中になる「過集中(Hyperfocus)」があります。好きな電車のおもちゃで遊ぶ時、何時間でも飽きずにいられるような状態がこれにあたります。
一方で、興味のないことには注意が散漫になり、忘れ物が多い、話を聞いていないように見えるといった「不注意(Inattention)」の特徴も見られます。
これらは決して「だらしなさ」や「怠け」ではなく、脳の注意機能や環境が関係している可能性があります。
安易に決めつけるのではなく、お子さまの特性を個別に理解することが、適切なサポートにつながります。
子どもの集中力を高める具体的な方法

ここまでは、子どもの集中力が続かない原因を詳しく見てきました。原因が分かったら、次は具体的な対策です。
日々の生活の中で実践できるアプローチを4つの視点からご紹介します。
楽しさを原動力に子どもと関わることを意識する
親の関わり方は、子どもの集中力とやる気を引き出すための最も重要な要素とされています。
結果だけではなく、やってみようと思った気持ちや努力の過程を具体的に褒めることが大切です。
「最後まで頑張ったのがえらい!」と声をかけることで、子どもは「努力すればできる」という成功体験を積み重ね、自己効力感が育まれます。
また、「これをやりなさい」と親が一方的に決めるのではなく、「どの宿題からやる?」「何時に始める?」など、子どもに小さな選択肢を与えましょう。
子ども自身が自分で決めることで、責任感と達成感が育まれ、内発的な動機付けにつながります。
子どもは親の行動をよく見ています。親が楽しそうに読書をしたり、何かに集中して取り組んだりする姿は、子どもにとって最高の学習モデルとなるでしょう。
環境づくりとルーティンで子どもの集中モードをONにする
子どもが自然と集中モードに入れるよう、環境を整え、習慣にさせることが大切です。
学習スペースには、おもちゃやゲーム、漫画など、集中を妨げるものを置かないようにしましょう。学習中はテレビや音楽を消すなど、物理的な刺激をなくす工夫も効果的です。
山口大学教育学部の西尾幸一郎氏らによる小学5〜6年生637名を対象にした研究では、男の子はリビング/ダイニングでの方が自律的動機づけが高く、女の子は自分の部屋での方が自律的動機づけが高くなりました。
また、リビング/ダイニングでは家族が「時々いる」よりも「いつもいる」方が、子ども部屋では「時々いる」よりも「いつもある」の方が自律的動機づけが高いことがわかっています。
だからといって「宿題が終わるまで頑張りなさい」といった指示は逆効果になることもあります。
子どもの集中力は長く続かないため「15分でここを終わらせよう」といったように、時間を区切って短時間で集中させる時間管理を試してみましょう。タイマーを使ってゲーム感覚で取り組むのもおすすめです。
楽しみながら遊びと運動で集中力を育む
遊びや運動は単なる気分転換ではなく、脳の発達を促し、集中力を高めるための重要なトレーニングになります。
| 種類 | 内容 | 効果 |
| 思考を鍛える手先を動かす遊び | ・ジグソーパズル・ボードゲーム・折り紙 など | 没頭する体験を通じて集中力を養い、言語理解力や想像力を育みます。 |
| 脳を活性化させる体を動かす遊び | ・ストップ&ゴーゲーム・じゃんけんスクワット など | 脳の血流を促進し、前頭前野を活性化。衝動のコントロールや注意力を高め、気持ちの切り替えにも役立ちます。 |
食の力で集中力を高める
集中力の土台となる心と体は、日々の食生活によって大きく左右されます。
脳の主要なエネルギー源となる炭水化物(糖質)は、ご飯やパンなどの主食から摂取でき、集中力を維持するために重要です。
また、タンパク質やビタミンB群も脳機能を維持する上で重要な役割を果たします。
さらに、食物繊維も集中力に欠かせない栄養素です。食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、近年注目されている「腸脳相関」からも、腸の健康が心の状態や集中力に影響を与えることがわかってきています。
そして、朝食は午前中の授業に集中し、給食まで集中力を持続させるために欠かせません。
規則正しい朝食を習慣化することは、脳に必要なエネルギーを供給するだけでなく、腸内環境を整え、やる気の向上にも繋がります。
例としては、朝食に卵や納豆、鮭などのタンパク質を加え、味噌汁などの発酵食品を取り入れることで、脳と腸の両方に良い影響を与えることが期待できます。
くるみや青魚に豊富に含まれるオメガ-3脂肪酸は、認知機能を改善する効果が確認されているため、おやつや夕食に意識的に取り入れてみるのもよいでしょう。
集中力は非認知能力のひとつ

ここまでご紹介した対策は、実は単なる対症療法ではありません。これらはすべて、近年の教育で最も重要視されている「非認知能力」を育むことに直結しています。
集中力は、数ある非認知能力の中でも、他の能力を伸ばすための土台となる重要なスキルです。たとえば、集中力を高めることは、以下のような非認知能力の向上にもつながります。
- 自制心(自分をコントロールする力):「あとで遊ぶから、今は宿題を頑張る」という力
- 自己効力感(自分を信じる力):「自分ならできる」という自信
これらの力が育つことで、子どもはただ集中できるだけでなく、自ら学び、困難を乗り越え、人生を切り拓く力を身につけられます。
実際に、Five Keysに通い、非認知能力を伸ばしたお子さまの保護者からは、このような喜びの声が寄せられています。
逆境に強くなりました
「入塾を決めたきっかけは、子どものわかりやすい『無気力感』。
何をやっても中途半端で『あー、めんどくさいな』『やりたくないな』などの言葉が多かったことですが、今はそういう言葉は聞かれなくなり、前を向いて頑張れるようになりました。」
(埼玉県 佐藤さん:小4・小6保護者)
穏やかになって素直に聞くようになりました
「以前は癇癪を起こす、怒ると妹を蹴っちゃうとか、手を出したりとか本当に困っちゃう感じがあったんですけど。
それでも素直に聞くということが増えていて、本当に穏やかになったのが入塾してすぐの変化でした。」
(東京都 澤井さん:小5保護者)
最後までやり抜く力がついた
「自分から前向きにいろんなこと取り組むことが多くなってきたと思います。
やらなきゃいけないことはちゃんと最後までやり抜く姿勢が身についてきている感じがします。」
(千葉県 副島さん:小4保護者)
これらの声は子どもの集中力が単なる学習スキルではなく、内面から育まれる「生きる力」そのものに深く関わっていることを示しています。
集中力と非認知能力、さらに大きく伸ばすには?
お子さまが小さいうちに集中力を身につけることは、将来にわたる大きな財産となります。自ら集中力を発揮して未来を切り拓く力を持った子どもに育つことは、大きな成功へとつながるでしょう。
もし、ご家庭での取り組みに加えて、お子さまのさらなる可能性を引き出すためのヒントをお探しでしたら、専門家のサポートが役立つことがあります。
Five Keysでは、小学校1年生からのお子さまの非認知能力開発をサポートが可能です。
- 家庭での対策を続けても、集中力の成長が見られない、または課題が続く場合
- 集中力の課題が、学習や友人関係・日常生活全般において、お子さまの自己肯定感を妨げていると感じられる場合
- 極端に過敏な感覚や、感情のコントロールが難しそうに見える、身体の使い方がぎこちないなど、気になる様子が見られる場合
これらのサインは、お子さま一人ひとりに合わせた、より専門的なアプローチが有効である可能性を示唆しています。専門家を頼ることは、決して特別なことではありません。
お子さまの個性を深く理解し、その成長を力強く後押しするための、前向きな選択肢の一つです。
子どもの集中力を「一生モノの財産」へ
子どもの集中力は、生まれつきの固定された能力ではありません。親の適切な理解と根気強いサポートによって、「育てる」ことができる大切な力です。
ポイントは、とにかく子どもを「楽しませる」こと。無理強いすると、それは嫌な記憶として心に結びついてしまいます。
楽しませることで、生理学的に脳内ホルモンが活性化し、集中力が自然と続くのです。
私たちFive Keysでは、一つの事柄を教えるにも、スライドや動画、絵本、ストーリーなど、多角的なアプローチで子どもたちの興味を深く引きつけるようにしています。
たとえば、説教のように聞こえがちな内容も「日本昔話」のような形式にすることで、子どもたちの心にスッと入っていくように工夫しています。
もちろん、目標に向かって頑張る経験も大切です。
しかし、その根底には「頑張らせる」のではなく、子どもが自ら「楽しいから頑張りたい」と思えるような、前向きな姿勢と環境を作ってあげることが何よりも重要なのです。
この記事が、子どもの集中力に悩むすべての保護者様にとって、希望の光となり、具体的な一歩を踏み出すきっかけとなることを心から願っています。
もし、子どもの集中力を伸ばしたいなら、未来を変える具体的な方法がFive Keysにもあります。
もう一人で悩む必要はありません。私たちと一緒に子どもの可能性を最大限に引き出す第一歩を踏み出しましょう。