ヘリコプターペアレントの3つの特徴と子どもに与える影響について解説
子どもに過度に介入してしまう親を「ヘリコプターペアレント」と呼んでいますが、子どものことを思うばかりに、子どもの問題を解決してしまう方も少なくありません。
しかし、子どもの成長を考えると、時に子どもにも失敗をさせてみるなど、親がどこまで介入するかのバランスを考えることも重要になります。
本記事では、「私、ヘリコプターペアレントかも」と思う方に、ヘリコプターペアレントの行動の特徴や、子どもに与える影響、また子どもとどう関わるべきかについて解説します。
「自分はヘリコプターペアレントかもしれない」「子どもの社会性や自主性を育てる関わり方が知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
本記事を解説するFive Keysは、子どもの自主性や社会性など、テストの点数では測れない「非認知能力」を育てる専門塾です。15年以上にわたり、子どもたちの成長と保護者の関わり方を支えてきました。お子さまの将来につながる力を育てたい方は、ぜひ一度Five Keysの公式サイトをご覧ください。
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ヘリコプターペアレントとは

ヘリコプターペアレントとは、アメリカで生まれた言葉で、子どもの生活、特に教育に過度に関与する親のことです。
子どもの周りにずっと付きっきりでコントロールしている親の様子が、上空で静止飛行しているヘリコプターと似ていることから、そのように喩えられています。
常に子どもの行動を監視しているヘリコプターペアレントはどのような行動の特徴があるのかについて、以下で説明します。
ヘリコプターペアレントの3つの特徴
ヘリコプターペアレントの行動の特徴について、少しでも思い当たる節のある方はこの機会に自身の行動を見直してみましょう。

親が子どもの選択肢をコントロールしようとする
臨床・スポーツ心理学者のダニエル博士によると、ヘリコプターペアレントは、子どもの授業や私生活まで、子どもの人生のあらゆる決断をコントロールするため、子どもは息苦しさを感じ、自分自身で決断することができなくなるとされています。
子どものために何かを決めたり、子どもが自分で選択することを許さなかったりするため、子どもの自主性を侵害することもあると考えられています。
過度に子どもを危険から避けさせる
ヘリコプターペアレントは、子どものすぐそばに張り付き、子どもの行動に細心の注意を払い、危害が及ばないように行動する傾向があるとされています。
子どもが失敗や怪我などをしないように親が率先して子どもをリードし、子どもの安全安心を過度に守ろうとしますが、これは子どもにとって悪影響をもたらすこともあります。その影響については後ほど解説します。
同情を誘発したり、罪悪感を感じさせて、コントロールする
ヘリコプターペアレントは、子どもの同情心や罪悪感を用いて子どもを自分の思い通りにしようとしたり、子どもに対して過度に批判的であったり、子どもへの要求が強かったりする傾向があります。
例えば「どうしてお母さんを困らせるの…」と子どもに罪悪感を抱かせ、自分のいうことを聞かせたり、「あなたの考えは間違っている」と過度に批判したりなど、親が一方的に自分の意見や要求を押し付けることがよくあるとされています。
ヘリコプターペアレントが子どもに与える影響

では、ヘリコプターペアレントの関わり方は、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。
過度な干渉は、子どもの社会性や自主性といった「非認知能力」の育成に影響する可能性があります。以下で具体的に見ていきましょう。
子どもの友達との交友関係に影響を与える
ヘリコプターペアレントは、子どもの友達との関係に影響を及ぼすと考えられています。
子どもの良好な友人関係は、自尊心や共感、楽観主義や生活満足度などと関連しているとされており、親が自律を促すような人であったという子どもは、良好な友人関係が構築できていると報告されています。
子どもの社会性を低下させる
子どもに過度に干渉することで、責任感や協調性など、周りの人と関わる上で求められる社会性が低下することがわかっています。
子どもの選択肢や行動を過度に制限することで、自分で責任を持って判断したり行動する習慣が減ってしまいます。
結果として「状況に応じてどう対応するか」を自分で考えて判断できないため、友達同士で起こる人間関係の摩擦などに対応できず、周りの人と付き合うことが難しくなると考えられます。
子どもの幸福感を低下させる
子どもの生活における判断などに親が関わりすぎることで、子どもの幸福度を低下させることがわかっています。
子どもに関心を向けすぎる親は、子どもの代わりに決断を下すなど、子どもから決定する機会を奪うため、子どもは「自分のことを自分で決められない」と、自信をなくしたり、自己効力感が欠如し、精神的に不安定になると考えられます。
また親がすべて決めるということは、「親が自分の能力を信頼していない」というメッセージとして子どもは受け取る可能性もあり、結果として、子どもの自尊心や幸福感を損なうと考えられています。
子どもがストレスへの対処を学ぶ機会を失う
子どもの成長は、生活におけるストレスやトラブルを通じて成長していくものですが、ヘリコプターペアレントが子どもの失敗やストレスから避けさせたり、子どもの自由な時間を制限することで、子どもは成長の機会を逃してしまいます。
このような環境で育った子どもは、自分の行動、感情、問題解決、ストレスへの対処を自分で調整することを学べず、問題に遭遇したときに誰かが自分を救ってくれることを期待する傾向があるとされています。
子どもの自主性を低下させる
親にコントロールされて育った子どもは、自分の人生への満足度が低く、自分自身について否定的な考えを持ったり、他人から受け入れられなければならないというプレッシャーを感じる傾向があるとされています。
このように親が過度に子どもに干渉することで、子どもの人生において非常に多くの影響を与えることがわかっています。
ここまで、ヘリコプターペアレントの関わり方が子どもに与える影響を5つ見てきました。
過度な干渉は、これから子どもが社会で生きていくうえで大切な非認知能力の成長を妨げる可能性があります。
この機会に、ご自身の関わり方が過干渉になっていないか、一度振り返ってみてください。
参考:
Helicopter Parenting: The Effect of an Overbearing Caregiving Style on Peer
ヘリコプターペアレントになってしまう原因は?

ヘリコプターペアレントになってしまう原因は一概には言えないとされていますが、考えられる原因として、以下が挙げられます。
- 子どもにはずっと安全安心でいてほしい
- 子どもを成功させなければならない
- 親自身も過保護、過干渉の環境下で育てられた
- 親が介入することで、子どもの願いを全て叶えられると考えている
なお、2013年にSegrinらがアメリカで行った研究では、親の不安が強いほど、子どもに対して過度に介入する過保護・過干渉な養育傾向がみられることが報告されています。子どもを守りたい気持ちが強いほど、必要以上に手をかけてしまうことがあるのかもしれません。
このように共通して、親の心理状況に「不安」や「プレッシャー」などがあり、子どものことを思うばかりに過度に保護、干渉してしまうのでしょう。
子どもが幸せな人生を送るためにも、子どもの経験を大切にし、自律を促す勇気も必要になります。
参考:(PDF) Parent and Child Traits Associated with Overparenting
ヘリコプターペアレントにならないために子どもに自律を促すサポートを

これまで解説したように、ヘリコプターペアレントのように過保護、過干渉になることで、子どもの主体性や自尊心、自信などに悪影響を与えます。
そうならないためにも、親として子どもに自律を促す子育てを意識していくことが重要です。結果として、非認知能力が育まれます。
例えば、以下のような行動を意識的に取り入れるようにしましょう。
- 生活におけるあらゆる選択を子どもに自ら選ばせる
- 子どもの失敗を歓迎する
- 親の主観ではなく、子どもが求めることや感情もしっかりと聞きながら、子どもと関わる
もちろん、子どもの年齢や発達段階に応じて、どれだけ介入するかを調整する必要もあります。子どもが成長するにつれて、自律するレベルが高まってくるため、成長に応じて、親の介入の度合いも調整しましょう。
まとめ

子どもの成功や安全を思う気持ちは、全ての親に共通するものですが、子どもの本当の意味での成功を考えると、子どもにどこまで干渉するかのバランスが重要になります。
そのため、今回紹介したような行動などが少しでも当てはまると感じた方は、一度自身の言動を振り返り、子どもに自律を促すようなサポートも意識してみましょう。
Five Keysは、自己肯定感・感情のコントロール・協調性・やり抜く力といった非認知能力を育てる専門塾です。15年以上にわたり、多くの子どもたちと保護者に向き合ってきた実績があり、家庭だけでは育みにくい力を体系的に伸ばせる環境を整えています。
ヘリコプターペアレントの背景には、親の愛情や不安があるからこそ、関わり方を変えるのが難しいケースも少なくありません。だからこそ、親子で成長を目指せる環境を取り入れることが大切です。お子さまの主体性を伸ばしたい方は、ぜひFive Keysをチェックしてみてください。
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- 井上 顕滋
非認知能力開発の専門家。
心理学・脳科学をベースに、20年以上にわたり子どもから経営者まで「人の可能性を引き出す指導」を行っている。
子ども向け非認知能力開発専門塾「Five Keys」創設者として、延べ6万人以上の子ども、保護者を指導。